教科書
業務1つを、8つの章で前に進めます。各章の要点は、触って確かめられます。本文と持ち帰り課題は勉強会で。
地図。タップで章へ
4回、1回90分。1回目と3回目の後に「測る1週間」が入ります。PC・印刷用の元の図(A4横)を開く
第0章 導入:この本の終わりに、あなたの業務が1つ減っている
終えると:この本で何が起きるかが分かり、自分の会社の Google Workspace のプランが言える
あなたの会社の Google Workspace は? タップして確かめる
Gemini が使える場所:Gmail の中と、Gemini アプリ(gemini.google.com)。ドキュメントやスプレッドシートの中では使えない。
次の一手:そのまま進めます。第5章は、Gemini アプリにコピーして実行します。買い足しは要りません。Standard に上げるかは、第7章の数字が出てから。
Gemini が使える場所:Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet など、ほぼすべてのアプリの中。
次の一手:そのまま進めます。第5章は、アプリの中の Gemini で実行します。
Gemini が使える場所:メールが @gmail.com なら、それは無料の個人アカウントで、Google Workspace ではありません。
次の一手:Business Starter から始められます。料金は公式ページで。今は Starter 前提で読み進めてください。
Gemini が使える場所:管理者か販売店に「うちの Workspace のプランは何ですか」と聞くだけで分かります。
次の一手:誰にいつ聞くかだけ決めて、先に進んでください。管理者なら、管理コンソールの「お支払い」→「サブスクリプション」にも出ています。
確認日:2026年9月24日。プランの中身は変わります。公式のプラン比較/補章B プラン別できること表
0-1 この本の約束
業務1つ、数字で。やらないことも
この本は、AIの解説書ではありません。
あなたの会社の業務を1つ選び、それをAIに任せて、かかっていた時間がどれだけ減ったかを数字で出す。そこまでを一緒にやる本です。
判断の要点
- 扱う業務は1つだけ。 2つ目は、1つ目の数字が出てから。
- 成果は時間で測る。 月に何時間減ったか。感想ではなく数字で。
- 新しい道具は買わない。 今使っている Google Workspace と、その中の Gemini で始める。
逆に、この本がやらないことも先に言っておきます。最新機能の紹介はしません。「画面のどこにボタンがあるか」のような操作手順も書きません。半年で変わるからです。そのかわり、何を貼って、何を頼み、出てきたものをどう確認するかは、全部書きます。ボタンの位置は Google の公式ページが一番正確で、一番早く更新されるので、必要なところで公式ページへの案内を置きます。
なぜ1つだけなのか。途中でやめないためです。よくあるのは、「AIで業務全体を効率化しよう」と始めて、何から手をつけるか決めきれずに止まるケースです。1つに絞れば、勉強会4回と、その間の「測る週」2回・「工程表を作る週」1回を足して、約2か月で結果が出ます。結果が出れば、2つ目は自然に始まります。
なぜ数字なのか。「便利になった気がする」では、続ける理由にも、社内で広げる理由にもならないからです。「月に6時間減った」と言えれば、その6時間を何に使うかを決められます。数字があると、続けるか広げるかを自分で決められます。
この順番で、毎日の入力と集計の時間を減らした会社の話を、この章の終わりに載せます。
0-2 進み方
4回・約2か月の時間割
この本は第1章から第8章まで、1つの業務を前に進める順に並んでいます。今日は地図と第1章だけ見て、続きは勉強会で進めてもかまいません。順番だけは変えずに。
各章は同じ形をしています。
- この章を終えると何ができるか
- 図解1枚
- 判断の要点(3つまで)
- 手順
- よくあるつまずき
- 持ち帰り課題
- できたかの判定
- 公式に任せる(リンク先と、その対象者)
- 関連レシピ・部品
分からない言葉が出てきたら、補章A「AIの言葉、最小限」を見てください。この本で使う専門用語は10語だけです。
「持ち帰り課題」は、第7章で引く数字を残すための部分です。どれも1回で終わる量にしてあります。
第2章の後と、第6章の後(第7章に入る前)に「1週間測る」が入ります。始めと終わりの時刻をメモするだけで、机に座る時間は増えません。ここだけは省けません。
手を動かす時間は、全部で10時間前後が目安です。半分は第5〜6章の「やらせてみる」に使います。読むだけなら、1章5〜10分です。
勉強会で使う場合は、1回90分・4回に分けて進めます。
| 回 | 章 | 回の終わりの状態 | 次回までの課題 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 第0〜2章 | 業務が1つ決まり、測り方が分かる | 導入前の時間を1週間測る |
| 2回目 | 第3〜4章 | データの仕分けと、工程表ができる | 社内ルール1枚と工程表を仕上げる |
| 3回目 | 第5〜6章 | 1回やらせてみて、直し方が分かる | 実務で1週間使い、導入後の時間を測る |
| 4回目 | 第7〜8章 | 削減時間が1つ出る。2つ目が決まる | 2つ目の業務で、第1章から回す |
1回目と3回目の後に、測る1週間が入ります。2回目の後は、社内ルールと工程表を仕上げる週です。ひとりで読む場合も、この区切りで進めると無理がありません。
0-3 道具とプランの確認
上の4択で確かめられます
使う道具は Google Workspace と、その中に入っている Gemini です。Gemini は、Gmail やスプレッドシートの画面にすでに入っている Google のAIです。ChatGPT の Google 版、と思ってかまいません。すでに会社で Google Workspace を使っているなら、追加で買わなくても始められます。
ただし1つだけ、先に確認してほしいことがあります。あなたの会社が契約している Google Workspace のプランです。プランによって、Gemini が使える場所が違います。
| プラン | Gemini が使える主な場所(2026年9月24日時点) |
|---|---|
| Business Starter | Gmail の中と、Gemini アプリ(gemini.google.com)。ドキュメントやスプレッドシートの中では使えない。使える範囲の詳細は補章Bと公式ページで |
| Business Standard 以上 | Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet など、ほぼすべてのアプリの中 |
この違いは第5章「どこで実行するか」に直接ひびきます。だから、ここで確認しておきます。
Starter でも、この本は最後まで進められます。 届いた内容を Gemini アプリにコピーして整える手順(レシピ01)を使うだけで、買い足しは要りません。Standard に上げるかどうかは、第7章の数字が出てから考えれば十分です。
手順:プランの確認
- 管理者なら、管理コンソール(admin.google.com)の「お支払い」→「サブスクリプション」にプラン名が出ています。
- 管理者が別にいるなら、その人に「うちの Workspace のプランは何ですか」と聞くだけで十分です。
- 販売店(Google 以外の会社)から請求書が来ているなら、その販売店に聞くのが一番早いです。
- Google Workspace をまだ使っていない会社は、Starter から始められます。料金は下の公式ページで。
よくあるつまずき
- 会社のメールアドレスが @gmail.com で終わる。 それは無料の個人アカウントで、Google Workspace ではありません。持ち帰り課題は「使っていない」に○をつけて、Starter 前提で読み進めてください。
- 管理を外部の業者に任せていて、その場で分からない。 持ち帰り課題の「不明」に○をつけ、次回までに誰に聞くかだけ決めてください。
- Gemini のマークは見たことがあるが、それがAIだと思っていなかった。 それで正常です。第5章で初めて使います。
もう1つ、Claude という別のAIが第6章で出てきます。ただしそれは「Gemini でうまくいかないときの選択肢」としてです。最初から2つの道具を覚える必要はありません。今は Gemini だけで進めます。
0-4 実例:月300時間
現場20人と管理1人の会社の話
数字の話を、実際の例で1つ。作成者が実際に関わった会社の話です。社名と業種は出しません。
ある会社では、現場の担当者20人が毎日、その日の成果の数字を手で入力していました。1人あたり1回20分。入力先はフォームや別々のスプレッドシートで、形はそろっていません。20人分で、月に約200時間です。
その数字を、管理の担当者1人がまとめていました。ばらばらの入力を管理表に写し、形を整え、確かめる。この作業に、月に約100時間。現場と管理を合わせて、月に約300時間かかっていました。
やったことは3つです。
- 数字が入ったら、決めた形の管理表に自動で集まる部品を作った。部品は Google Apps Script で書き、書き方は Gemini に相談しながら進めた。
- 「担当者に意識してほしい数字」だけは、今までどおり人が入力する形で残した。
- 月に1回のチェックは、人が見る。
人がやるのは、意識してほしい数字の入力と、月次の確認だけになりました。空いた時間は、現場の20人で月に約200時間。管理の担当者で月に約100時間。合わせて月に約300時間、年にすると約3,600時間です。
ここで大事なのは、全部を自動にしなかったことです。どこを人が残すかを決めるのが第4章で、この会社もそこに一番時間を使いました。迷ったのは「ほぼ自動にできる中で、どの数字は人が打ち続けるべきか」でした。答えは、担当者に意識してほしい数字と、月次のチェックの2つです。
この本の章の順番は、この会社が通った順に合わせています。第1章から第7章で業務を1つ、第8章でこの会社が使ったような「自動化の部品」を扱います。
持ち帰り課題
書き込み欄1枚
自分の会社の Google Workspace のプランを確認して、ここに書き込んでください。
書き込み欄
プラン:( Business Starter / Business Standard / Business Plus / Enterprise / 使っていない / 不明 ) 確認した日: 年 月 日 確認した方法:( 管理コンソール / 管理者に聞いた / 販売店に聞いた / 請求書 ) 不明の場合、誰にいつ聞くか:
できたかの判定
チェック1つ
- ☐ 自分の会社のプラン名が言える。または、確認先と期限が決まっている
これだけです。第1章へ進んでください。
公式に任せる
Google の公式ページ
- Google Workspace のプラン比較・料金(全般向け):workspace.google.com/pricing
- 管理コンソールでの契約内容の確認(管理者向け):Google Workspace 管理者ヘルプ「お支払いアカウントにアクセスする」
※プランの中身は変わります。この章の確認日は2026年9月24日です。迷ったら公式ページを正としてください。
関連レシピ・部品
次に読むもの
- 補章A AIの言葉、最小限
- 補章B プラン別できること表
- レシピ01 届いた内容をスプレッドシートに転記する時間を減らす(Starter の手順あり)
第1章 業務を1つ選ぶ
終えると:任せる業務が1つ決まり、業務名と頻度を1行で言える
あなたの業務は、どのマスに入りますか。2つ答えると、判定が出ます
あなたが選んだ作業:
最初に選ぶ。ここから1つ。回数が多くて型があるので、早く数字が出ます。
2つ目以降。任せられます。ただ回数が少ないので、成果が見えるまで時間がかかる。1つ目の数字が出てから。
型を作ってから。まず「よく来る形」を1つ決める。その形だけを候補にします。
選ばない。回数が少なく、形もない。間違いを確認で直せないものも多い。最初の1つにはしません。
3つ目の条件:間違いを確認で直せる業務だけを選ぶ。支払い・契約・法律の判断や、社外に出せないデータが中心の業務は、最初の1つにしない。
第2章 今かかっている時間を測る
終えると:第1章で選んだ業務に、今、月に何時間かかっているかが数字で出ている
今、その作業に月に何時間かかっていますか。入れてみる
あなたが選んだ作業:
0以上の数字を入れてください。
式:週の回数 × 4.33 × 1回の所要分 ÷ 60。4.33 は1か月の週数。営業日は1日8時間で換算。この数字が、第7章で引く相手になります。
第3章 その業務のデータをAIに渡していいか
終えると:第1章で選んだ業務のデータを「渡す・条件つきで渡す・渡さない」に仕分けし、社内ルールが1枚できている
そのデータ、AIに渡していいか。3つに仕分ける
渡す
そのまま貼ってよい
条件つきで渡す
会社契約の Google Workspace のアカウントで実行する。個人アカウントや無料版には貼らない
渡さない
貼る前に削る。出力の列にも入れない
会社契約の Gemini は、入力した内容が人に見られず、許可なく学習にも会社の外にも使われません。根拠は Google の公式ページ(資料の補章B)。
第4章 どこまで任せて、どこを自分が残すか
終えると:第1章で選んだ業務が工程に割れ、どの工程をAIに任せ、どこで人が見るかが決まっている
全部は任せない。工程に割って、人が見る場所を決める
工程 1
届く
今まで:メールを開く
自分がやる工程 2
読んで拾う
今まで:本文から目で探す
任せる(AI)工程 3
確認する
今まで:打ちながら見る
確認する(人)工程 4
入れる
今まで:手で打つ
自分がやる人が残すのは「確認する」。ここを残すから、安心して任せられる。
第5章 指示の型で、まず1回やらせてみる
終えると:第4章で「任せる」にした工程を指示の型で1回やらせてみて、出力が1回分、手元にある
覚える型は1つだけ。5つの部品でできている
1回目は70点でいい。直すのは第6章。出力はそのまま使わず、第4章の「確認する」へ。
第6章 うまくいかない時の直し方
終えると:第5章の出力が使える形になっている。または「この業務は任せない」と決めている
出力が使えない。原因はこの3つのどれか。タップして直し方を見る
材料不足渡した文に、必要な情報が入っていない
直し方:例を1つ足す。「こういう入力なら、こう出す」を1組だけ見せる。
指示が曖昧何をどの形で出すかが決まっていない
直し方:出力の形を決める。列の順や行数を指定する。長い頼みごとは分けて頼む。
道具が合っていない3手を試しても、Gemini では届かない
直し方:道具を替える。Workspace の中の軽作業は Gemini。長文の設計・複雑な指示・ツール作りは Claude(別契約)。
それでも無理なら、任せる範囲を戻す(第4章の工程表へ)。「任せない」と決めるのも正しい結果。
第7章 導入後を測って、差を出す
終えると:導入前と導入後の差が数字で出て、この本のゴールである削減時間が1つ手元にある
ゴール。導入前と導入後を引いて、差を出す
0以上の数字を入れてください。
数字の例は架空。減っていなければ「減っていない」と書く。それも結果。
第8章 次の業務へ広げる
終えると:2つ目の業務が決まり、広げ方が分かっている
2つ目は、1つ目の隣から。3つ目は、2つ目の数字が出てから
同じ人
測定者が同じ。例:問い合わせ返信
同じデータ
材料が同じ。例:同じ注文メールから作る日報
前後の工程
工程表の隣。例:確認済みの行を入れる工程
誰が教えても同じ結果にする、3つの単位
教科書
順番と判定を固定する
測定テンプレート
数字の出し方を固定する
自動化の仕組み
毎回の手作業を固定する。確認する工程は人が残す
自動化の仕組み(Google Apps Script の小さなプログラム)は第8章から。無料版の Gemini API に、実務のデータは流さない。